ウィスタリアの歴史
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研究者 オルソン・グエンガー Illustration:内田緋竜 |
なんだ、わしに何の用だ?
なに?ウィスタリアの歴史について教えろと?
そこに本がある。簡単に省略してあるからお前さんでもわかるだろう。
カルディア暦前0013年 | 錬金術師エカリス・ダグラスによって魔力を動物の形へと形成する技術が発明される。魔力から作り出された動物の総称を「エレメント」とする |
カルディア暦0001年 | 錬金術師エカリス・ダグラスが研究所を築いていた土地周辺に「カルディア」とうい名の国が作られ、その首都には彼の名前が付けられた |
カルディア暦0298年 | カルディア北部にて暗雲と邪気に囲まれた島が発見される。「クヴァール島」と名づけられる |
カルディア暦0304年 | クヴァール島より現れた凶暴化したエレメントがカルディア付近にある小国を滅ぼす |
カルディア暦0309年 | 武器にエレメントを乗り移らせる技術が発見される |
カルディア暦0325年 | 凶暴化したエレメントによる攻撃に対抗するべくカルディアに「冒険者ギルド」が設立され、世界中から腕に覚えのある者達が集められる |
この間、クヴァール島からの小規模の攻撃が続き長期にわたる戦いが続く |
カルディア暦1003年 | 英雄と呼ばれていた偉大なブリーダー「メイナード・ソーヤ」率いる一団が未開の地クヴァール島調査に向ったが、一団は壊滅状態に陥る |
カルディア暦1005年 | クヴァール島からの攻撃が活発化 |
カルディア暦1008年 | 要塞都市アレハンドロにて、シュネイテーシス勢力との戦闘が行われる |
カルディア暦1009年 | 現在 |
一読したか?
これからわしがウィスタリアの歴史を知る上で最低限知っておかなくてはならぬ事を説明する。
確認ぐらいはしておけ。
カルディア暦前0013年:
錬金術師「エカリス・ダグラス」によって魔力を動物の形へと形成する技術が発明される
今から約1000年前の事だ。
一人の好奇心旺盛な錬金術師によって、大気中に存在している魔力を生き物の形にする為の研究が行われていた。
錬金術師は何年もの月日を費やし、ついに一匹の動物を生み出す事に成功した。
最初に生まれたのは白銀の毛並みをもつ狼だったといわれている。
錬金術師はこれを「エレメント」と名づけ、その後も数多くのエレメントをつくりだした。
錬金術師の多忙により世話をしきれなくなったエレメントたちは部下らに預けられたが、
世界初のエレメント「白銀の狼」を預けられた部下は、ひどく強欲な者であったそうだ。
その部下は自分に預けられた「白銀の狼」に対し、まるで生き物とも思わぬような実験を繰り返したという。
錬金術師の死後、研究所には「白銀の狼」の姿がなくなっていた。
「白銀の狼」を預かる部下の証言によると、狼はその姿を狼から人へと変え、何処かに逃げ出したということだ。
当然、狼が人に姿を変えたなどという妄言を、当時は誰も信じなかった。
強欲な部下が狼に非道な実験を行い死に至らしめたとされ、彼は重い罰を科せられた。
しかし度重なる捜索によっても「白銀の狼」の遺体が発見されず、
その後のさらなる研究の末、エレメントが人型に近い姿をとる場合があることが明らかとなったことから、
ただの妄言と片付けられていた部下の証言はここにきて僅かな信憑性を得た。
しかし彼が非道な実験を行っていたことに変わりはなく、その罪が許されることもなかった。
その後も「白銀の狼」の捜索は幾度かにわたって行われたが、ついに発見されることはなかった。
カルディア暦0304年:
クヴァール島より現れた凶暴化したエレメントがカルディア付近にある小国を滅ぼす
カルディア暦0298年に発見された暗雲に包まれた島「クヴァール島」付近にて、強力な魔力を秘めたエレメントが大量発生。
凶暴化したエレメントはカルディア北部の小国へと乗り込み人々を襲った。
小国は応戦したがわずかな日数で壊滅状態へと陥った。
カルディアからの援軍も応戦したが、エレメントには通常の武器ではほとんどダメージを与えることが出来なかった。
凶暴化したエレメントに対抗する術をなくした人類は滅びを覚悟したが、エレメントたちは小国を滅ぼすのみに留まり、カルディアにまで攻めてくることは無かった。
その後クヴァール島からの大規模な攻撃はなく、一部地域にて凶暴化したエレメントが暴れまわるのみとなる。
惨劇の再来を恐れる人々は、凶暴化したエレメントへの対策を研究しはじめる。多くの錬金術師たちがその研究に従事した。
そして事件より5年後のカルディア暦0309年、武器にエレメントを乗り移らせる事で、エレメントに対し有効なダメージを与えられるとの研究成果が得られた。
凶暴化したエレメントに対抗する術として、武器にエレメントを乗り移らせる術は瞬く間にウィスタリア全土に広まっていった。
カルディア暦1003年:
英雄と呼ばれていた偉大なブリーダー「メイナード・ソーヤ」率いる一団が未開の地クヴァール島調査に向ったが、一団は壊滅状態に陥る
当時多くの業績を残し英雄と呼ばれていたブリーダー「メイナード・ソーヤ」は自身を含む12名の少数編成の一団を作成し、クヴァール島の調査へ向かった。
選出されたメンバーは全員がギルドに名を残す実力者であったが、この調査によりメイナードを含む10名のブリーダーが帰らぬ人となった。
クヴァール島から生還した2名のブリーダーのうちの一人「クレイ・リチャードソン」は生還後、
約5年間意識不明の状態が続いた。
後に、この意識不明の状態は敵対していた謎の女性「シャルローム」の術による事が判明。
ブリーダー達の働きにより、現在は術が解けている。
もう一人の帰還者「アイラ・バレッサ」は帰還後1週間ほど意識不明の状態だったが、
意識を取り戻したのち島での状況を語った。
彼女の証言によると、メイナードの一団の前に姿を現したのは銀色の髪をした一人の青年で、
最初は穏やかな声で島から去るように言っていたが、突如まるで人が変わったかのように荒々しく叫び、こちらが身構える前に攻撃を仕掛けて来たという。
青年は「ファスターニャクリム」と名乗った。
現在、青年「ファスターニャクリム」の捜索及び調査が各方面より進められている。
研究者の間では、ファスターニャクリムは数百年前の記録に残された最初のエレメント「白銀の狼」ではないかという説がまことしやかに囁かれている。
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クレイ・リチャードソン
アイラ・バレッサ
ファスターニャクリム
シャルローム
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カルディア暦1008年:
要塞都市アレハンドロにて、シュネイテーシス勢力との戦闘が行われる
カルディアの西方、モンスターなどが多数生息している危険地帯「シュネイテーシス」の対岸に立てられた要塞都市「アレハンドロ」では、日々シュネイテーシスからカルディアに上陸せんとするモンスターや暴走エレメントを食い止めていた。
1008年9月、その要塞都市アレハンドロにて在住している兵士やブリーダーなどが原因不明の眠りに陥り、要塞都市の機能が停止するという事件が勃発。
首都エカリスでは、エカリス在住のブリーダーが集められ要塞都市の防衛、そしてシュネイテーシスに潜む眠りの元凶の討伐がおこなわれた。
その際、ブリーダー達の前にモンスターを指揮していた謎の女性が姿を現し、シャルロームと名乗った。
眠りの呪いの原因はシャルロームがつれていたモンスターであることが判明し、ブリーダー達はこれを撃退。
シャルロームの討伐は失敗に終わったが、要塞都市の眠りを解き、その機能を復活させた。
○リアルタイムイベント呪眠〜死の風〜○
※リアルタイムイベントとは?