人々が暮らす世界「ウィスタリア」
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錬金術師 フェイニーズ・ダグラス Illustration:沖田龍 |
この世界は「ウィスタリア」と呼ばれてる。
……誰が呼び始めたかって? そんなん俺が知るか。
この世には目には見えない不思議なエネルギーが存在していて、それを俺達は「魔力」と呼んでる。
魔法を使うときはもちろん、魔道具を動かすにも魔力は必要不可欠だ。
あ?「魔道具」って何だって? そりゃ俺の管轄外だ。
キオの奴にでも訊いてくれ。
ウィスタリアには、俺達が分かっている範囲じゃ大きく分けて3つの地域が存在する。
簡単に言うと「俺たちが暮らす場所」「危険な所」「非友好的な所」の3つだな。
1.「カルディア」
俺たちの住んでるところがここ、カルディアだ。地図じゃ右側の方にあたる。
この大陸のほとんどを占める、巨大な国家だ。
首都はエカリス。ここにはカルディアの中はもちろん外からも、多くの人、モノ、文化が集まってくる。
俺達の世界の中心になっている地域だ。
2.危険地域「シュネイテーシス」及び「クヴァール島」
カルディアから船で西に向かうとすぐにぶつかるのが、俺達が「シュネイテーシス」と呼んでる大陸だ。
まだ大陸の大まかな形くらいしかわかっていない。
派遣された調査隊が凶暴化したエレメントに襲われるせいで、調査が遅々として進まないんだ。
カルディアの東北に位置するのが「クヴァール島」。こっちはさらに危険な場所だ。
クヴァール島は現在カルヴィアによって最上級危険地域に指定されていて、
許可がない奴は島に近づく事も禁止されてる。
3.独立地域
1にも2にも当てはまらない国や島を指す。カルディアの支配下に入るのを拒んでる国々だ。
独自の文化を持つ民族が暮らしているらしいんだが、
中には外部の者を一切寄せ付けない国もあって、内情はあまりわかっていない場所が多い。
ん?もっと詳しく国について教えて欲しいだと?
あーたしかこっちに資料があったな。
ウィスタリアの時間の流れ
カルディアでは大気中の魔力の運行を基準に定められた暦が使われている。
1年は365日。
1年は12の月に分けられ1ヵ月は約30日。
1日は24時間。
1時間は60分。
どうしてそんな区切りなのかって、そんな小難しい話は聴きたくないだろ?
カルディアの町々とカルディアと同盟を結んでいる地域には必ず「柱時計」が設置されていて、
住民は皆いつでも正確な時間を知ることが出来るし、それを基準に生活している。
この柱時計は魔力で動いているから時間が狂うことはない。
一つ注意して欲しいんだが、柱時計があるのは「カルディアの町々とカルディアと同盟を結んでいる地域」だ。
危険地域はもちろんだが、独立地域にも無いと思われる。
あと、持ち運べるサイズの時計は本当に一部でしか使われてないから、手にする機会はそうそうないだろうな。
時計がない場所では日の出と日の入りを元に日単位で時間を把握するしかないってことだ。
言葉
カルディアで日常的に使われている言語があって、それは支配下にある国や友好国のほとんどで普及している。
共通といっても地域によって方言はあるから、たまに何を言っているのかわからない奴もいる。
カルディアの影響下にない地域に関しては、言葉が通じない国もあるだろうな。