ウィスタリアの文明

ショップ「Fennec」店主 キオ・クルトス
Illustration:猫R。

どうもどうも。ダグさんがキミにいろいろ教えてあげてくれって言ってたよ。
僕はこれでもショップ経営をしてるから道具とかには詳しい。いろいろ訊いてくれていいよ。


●魔道具とは
魔力を動力源として動いている機械の総称を魔道具というんだ。
主にカルディアにある「アスティオ研究所」や商業国である「ヘイタロス」の各研究所で作られている。
個人で小さな研究所を作って魔道具の研究をしている人もたまに見かけるね。

魔道具が流通しているのはカルディア及びカルディアと同盟を組んでいる国のみだから、危険地帯にはまず無いね。
独立地域でもほとんど使われていないと思うよ。
「思うよ」って確信出来ないのは、カルディアの魔道具の技術を国外に持ち出してる人がいるかもしれないからね。
スパイと言うと聞こえが悪いけど、カルディアはあまりそういうところは厳しくない国なんだよ。
まぁこればっかりは独立地域の人達が僕らカルディア地域の人間を受け入れてくれないとわからないね。


さて、ここからは魔道具に関するもう少し詳しい説明をするね。
まず魔道具は大きく分けて2種類に分かれるんだ。
カルディア地域のほとんどの街に流通している「一般品」と
世界に数えるほどしかないとっても貴重な「管理品」の2つ。

それじゃ「一般品」と「管理品」について詳しく説明しようか。

「一般品」
一般品のほとんどは生活の役に立つ物が多いね。部屋をキレイにしたり、服をキレイにしたり。
あとは料理をする為に便利な魔道具だったりね。

みんなが使っている武器や防具はほとんどは魔道具じゃないんだ。
一部魔道具として作られた特殊な物もあるけど、そこそこ珍しいからあまり手に入る物ではないと思うな。
ただ、武器や防具として作られた魔道具は管理局では管理されてないから、うちの店でもたまに仕入れるよ。

簡単に言ってしまうと管理局で管理されていない魔道具はすべて一般品ってことだね。

「管理品」
管理局が一般での使用を制限している魔道具のことを管理品と言うんだ。
ギルドに登録しているブリーダーなら、依頼を受けたときに使わせてもらえるかもね。
移動装置や連絡装置などがあって、使用するには管理局の許可が必要になるんだ。

・移動装置「サーム」
ブリーダーギルドにも設置されている移動装置だね。
どんなに距離が離れていても、片方のサームからもう片方のサームまで一瞬で人やモノを移動させる事が可能なんだ。
今のところ世界に4基しかないかなり貴重な装置でね、
カルディア国内に2基、カルディアと同盟を結んでいる国に2基しかないんだ。

サームが設置されていない場所に行く時は、目的地に一番近いサームに移動して
そこから徒歩だったり馬車だったり船を使うことになる。

・連絡装置「ティベル」
これもブリーダーギルドに設置されている貴重な装置だね。
離れた場所にいるもの同士が会話が出来る道具なんだ。
これは移動装置サームよりは数は多いけど、それでもカルディアの街にある重要施設とか
同盟国に数台が設置してあるくらいで、一般には流通していないね。

0から9の番号の書かれたボタンが前面に並んでて、それを押すと対応したティベルに連絡できる。
受話器を口元に持っていって話せば、相手に聞こえるんだ。便利だよね。

・柱時計
ダグさんから説明を受けたかな?
カルディア地域の各街には正確に時間を計ることの出来る柱時計が設置されている。
これも管理局で管理されているんだよ。