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大きなツリーを飾るんだって。
きらきら光るんだって。
きっと全部に光が灯ったら、すごくすごく綺麗なんだろうね!
クリスマスのイベントは、すぐにエカリスの街中に広まった。
ブリーダー達が頑張って光る魔石を飾り付けている、それを知った人々は、ブリーダーを見かけると「頑張ってね」と期待のこもった瞳で声をかけてくるほど。
夜になっても酒場や公園からは、人々の楽しそうな声が絶えない。まるで光り続ける魔石のように。
そんな風にエカリス中がクリスマスに向けて胸躍らせているある夜。
ちらつく雪、肌に刺さるような夜風を気にした様子もなく、とある民家の上で白い大きな袋を背負った男は件のツリーを眺めていた。
魔石も着々と集まり、ツリーは大分豪華になってきている。このまま行けば後数日でてっぺんまで光が灯るだろう。
「さてさて順調なようだけど、そうそううまくいくかな?」
男は口元に笑みを浮かべ、誰にともなく呟く。
「やっぱり物事を楽しむには、ちょっとスパイスが必要なんだよね」
その言葉が意味しているのは――?
翌朝。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ‥‥!」
出勤前にツリーの様子を見に来たアディの悲鳴が響き渡った。
ツリーに飾られていた魔石が、明らかに減っているのである。
そしてツリーの前に立てられた掲示板には、一枚の張り紙が追加されていた。
『このままただゴールしても楽しくないでしょ?
だからちょっとしたイベントを開催するよ!』
誰かの口調に良く似た調子で書かれたその張り紙は、明らかにブリーダーへの挑戦状だった。
『昨日の夜ボクが奪った魔石を取り返してごらん。
あと、襲撃がこれ一度だと思わないでね。
赤い服を着たボク達赤の一団は、また魔石を奪いに行くよ。
ボク達から魔石を守ってごらん!
あ、もちろん赤の一団も手を抜いたりしないから、覚悟してね〜
ちなみにちゃんと許可とってやっているのであしからず。
以上』
「な‥‥な‥‥」
なんだろう、この人を小ばかにしたような文面は。
アディの悲鳴で集まったブリーダー達はその張り紙を見てしばし呆然と立ち尽くしていた。
「よし、わかった! その挑戦受けてやる!!!」
そんなブリーダーたちの中で拳を握り締めて叫んだのはディアン・シュミット。この寒い中でひときわ闘志を燃やす。完全に彼の熱血魂に火がついたようだ。
「勝利は俺がもらったあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
やる気満々の勝利宣言。
最初こそそれにあっけにとられていたブリーダーたちだったが、このままでは皆が楽しみにしていたツリーの点灯が、楽しいクリスマスが迎えられない。
叩きつけられた挑戦状に、応えないわけにはいかなかった。
次々とブリーダー達が拳を握り締め、やる気を宣言していく。
赤の集団とブリーダーたちの楽しいクリスマスをめぐった戦いが、今まさに始まろうとしていた。
■解説
◇本作戦について
情報1(赤の一団とは?)
情報2(クリスマスフェスティバル)
情報3(関連依頼一覧)
情報4(功績ランキング)
情報5(特別功績者一覧)
■NPCより
どうやらクリスマスの戦いは終わったようですね。 大きなお怪我をした方がいなくて良かったです。 あ、あの魔光石作ってよかったです・・・ 少しでも皆さんの役に立てて嬉しかったです。 |
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