■暗雲に覆われた世界について



先日の、クヴァール島対岸要塞での戦闘にて人型エレメントであるシャルロームの体から発せられた黒い魔力は、巨大な暗雲となりクヴァール島上空に数日とどまった後、世界中に広がっている。

現在は、暗雲によって太陽が覆われ昼間でも夕暮れ時の様に薄暗く、
太陽の光が遮断された事により動植物の成長に影響を及ぼしている。
また、世界各地の気温も下がっており春を迎えるはずであった世界は、
いまだ冬が続いている状態である。
暗闇の覆われた世界に、人々は不安や恐怖、更には絶望を訴え、
また頭痛や睡眠障害など、体の不調を訴える者も相次いでおり、
中には生きる意欲を失って食事さえ摂らなくなる者や、反対に自棄になって暴れる者もいる。

研究員からの報告では、太陽の光が遮断された事による影響以外にも、
暗雲から発せられている黒い魔力の影響により、大気中に含まれる魔力のバランスが崩れており、
このままでは、体の殆どが魔力により構成されているエレメントに大きな影響を及ぼす事が
予想されており、最悪の場合エレメントの体を保つ事が出来なくなる可能性が高い。
そこまでに至らなくとも、コンバートが出来ない、暴走するエレメントの数が上昇するなどの現象も予測される。
すでに、研究所では魔石からエレメントを生み出す事が出来なくなっており、このままでは、自然発生や繁殖も不可能となる。

また、エレメントだけではなく影響は「魔石」にも出ており、
今まで魔石に含まれる魔力をエネルギー源として動いていた「魔道具」なども
今後使用できなくなる可能性が非常に高く、最終的にはエレメントだけではなく
人や動物もその存在を保てなくなるという研究結果が報告された。

ブリーダーギルドでは、暗雲の原因となっているクヴァール島への
上陸を行い、原因の究明及び解決を行なう為、
クヴァール島へ向うブリーダーの召集を開始した。




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