■モンスター情報

今回の戦いにてその姿が目撃されている新種のモンスターなど
敵に関する情報をまとめています。



新種モンスターに関する情報モンスター分布希少モンスター解説



■新種モンスターに関する情報

●ブランカ

 ブランカとは、要塞都市アレハンドロを目指して進軍してきている大量の白いオーガの事だ。

 その身体は青白く、ひょろりとしていて背が異様に高い。そして長い白い髪を振り乱すようにしている姿は遠目から見れば白い服を着た人間のようにも見えるが、ある程度近づいて見ればその異様さに気がつくだろう。人間とは違う、紛れもなく二足歩行のモンスターだ。

 志芯国出身の者が言うには「まるで幽鬼のようだ」という。だがその儚げな外見とは裏腹に、筋力は高く、長い爪から放たれる一撃は鋭く、そして重い。かといって鈍重なわけでもなく、その身体に見合った素早さも持ち合わせている。
 特殊な能力を使うという報告はされてはいないが、集団で行動する知能を持つこと、アレハンドロを明確に目指して進軍してくることから、それなりの知能を持ったモンスタであるということが伺える。

 彼らの上陸手段は船であり、シュネイテーシスへと向かった者達に気付かれぬように霧で隠された海上を、大きく迂回するようにして正面からではなく左右から上陸したという。
 その上陸の仕方から見て、彼らに命令を与えた者がいるだろう事が予想されるが、その者の有無は判明していない。

 その進軍の仕方はまさに数の暴力である。攻撃は単調ではあるが、だからといって油断してはならない。
 管理局はこの二足歩行のモンスターを「ブランカ」と名づけた。

 大量の「ブランカ」が要塞都市を埋め尽くしたとしたら――想像するだけでも不気味な光景である。



●スエーノ

 スエーノとは、シュネイテーシスに上陸したブリーダー達が目撃した、新種のモンスターである。

 中心に赤い核を持った、球型をしており、直径は4.5メートルほどだ。色は黒に近い灰色で、透過しておらずしっかりと実体を持っている。
 その外見は生物のようにてらてらぬらぬらしており、血管のような筋が表面に浮き出ている。そして同色の、霧のような瘴気を放っている。
 中心の赤い核は無機質な瞳のようなもので、生気は全く感じられない。
 そして地面から少し浮遊して移動するという。

 このモンスターはアレハンドロ周辺で人々を眠りに陥れていたモンスターの大型種であるとみられている。いや、アレハンドロ周辺で人々を眠りに陥れていたモンスターの方が、このモンスターの小型種なのかもしれない。

 その攻撃方法は、霧のようなものを一瞬にして広げ、それに巻き込んだ者を眠りにつかせるというもののようだ。シュネイテーシスでは何人かのブリーダーが突然の出現に遅れをとり、眠らされた。だが小型種との戦いで霧を吸い込まないようにすれば眠りを防げたことから、この霧も同様の方法で防げるのではないかと予測されている。
 ちなみに眠りから目覚める方法だが、解毒剤などの効果はなく、対象の球体を倒した事により目覚めるのではないかという説が有力だ。

 管理局はこのモンスターを「スエーノ」と名づけ、大型種と小型の亜種がいることを記録した。

 小型種は小さく分裂して額に張り付き、定期的に霧を吐き出すものや、巡回して動くものを見つけては霧を吐き出して眠らせるもの、
そして敵を認識すると再生可能な触手を生やして攻撃を仕掛けてくるもの、額の核から雷撃を放つものなどが確認されている。
 小型種に対する時は、霧に対する防備の他にその他の攻撃方法への対処も重要になってくるだろう。
 大型種については、いまだ謎が多い。対峙するブリーダー達の新たな報告を待つ。

 共に現れた、青緑色の髪をした女性との関係性は今のところ判明していない。




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■現在確認されている種別

■シュネイテーシス岸辺付近
・ステゴケラス
・ジャイアントパイソン[大蛇]
・オストリッチ
・チョンチョン[人面蝶]
・グランドスパイダ[土蜘蛛]
・ディモルフォドン
・バグベア
・パンサー
・ホーンドフィッシュ
・ジャイアントクロウ
・エイプ
・アルクオプリテクス
・ソードフィッシュ
・マイアサウラ
・アルティスピナクス

■シュネイテーシス海上
・ウォータージェル
・ソードフィッシュ[梶木]
・魚型エレメント

■アレハンドロ対岸付近
・ローバー[大磯巾着]
・ジャイアントトード[大蛙]
・亀型エレメント

■アレハンドロ周囲
・ホブゴブリン[茶鬼]
・ポイゾン・トード[毒蛙]
・コボルト
・パピヨン[蝶]
・鳥型エレメント
・犬型エレメント



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■希少モンスター解説

以下モンスター分布より一部モンスターの紹介文章となります。

●ポイゾン・パイソン
 別名をアナコンダと呼ばれるジャイアントパイソンという魔物が存在するのだが、そのなかでも毒を持つ個体のことを、特にポイゾン・パイソンと称して区別している。

 基本的な体格や性格、生態などは一般的なジャイアントパイソンと何ら変わりはない。成長すれば6mにもなる巨体を活かし、狙った相手に物陰から飛びかかり絡み付いて窒息死させてから、丸ごと飲み込んでしまうのである。人間であっても子供ならばひと飲みだ。ということは、パラであればすべからくひと飲みの対象、シフールに至っては言及するまでもない。
 この締め付けから逃れるためには、かなりの力自慢でなければならないだろう。

 ポイゾン・パイソンの場合はこれに加えて、鋭い牙に含まれる毒にも注意しなければならない。この毒はかなり強力であり、放っておけば下手をするとそのまま命を落としてしまう。
 もしも噛み付かれた場合は、1時間以内にしかるべき処置を施すべきだ。生息地域に赴くのであれば解毒剤を持っていくことを強く勧める。それで命を救われた当人が言うのだから間違いない。


●ステゴケラス
 ステゴケラスとは、硬頭類に分類されているダイナソアである。
 主にシュネイテーシスやクヴァール島など未開拓地域の湿地帯にて、群れで行動する様子が目撃されている。

 体高はおよそ1.5mとダイナソアにしては小柄であり、2本の太い足で直立歩行をする。短い前足でバランスをとっているようなその姿はよちよち歩きを始めた幼児を思い出させるが、だからといって甘く見てはいけない。
 分厚く丸い彼らの頭骨は、硬頭類という分類が示すとおりにとても硬い。骨と同質のこぶが、目の上から首の後ろにかけて、半円形に並んでいるのである。これは間違いなく急所であるはずの頭部を守るためのものであると同時に、使いようによってはとても威力のある武器となりうる。オス同士の戦いの場や己の身に危険が及んだ場合などにおいては突進態勢からの頭突き攻撃を行うことからすると、彼ら自身もそれが武器となることを知っているようだ。

 気をつけなくてはならないのは、彼らの行動単位が群れであるということだ。1体のみならばまだ対処のしようもあるだろうが、群れ丸ごとで向かってこられたならばひとたまりもない。
 10や20を超えるステゴケラス達がそろって頭突き攻撃をしてきたらと考えると、私は恐怖におののき、夜にひとりで手洗いにも行けなくなってしまうのである。

(魔物学者コーネリアス・ラジェスター著『魔物大辞典第4版』より)



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