■カルディア王国主要人物像
ブリーダーギルドのとある壁……
さまざまな依頼の情報が貼られているこの壁に依頼情報とは別の紙が張り出されている。
「カルディア王国主要人物像」と題が書かれている様子。
張り紙の端には小さく 「管理局 新聞部」 と書かれている……
氏名:エリューシア・リラ・ジュレイガー
性別:女性
年齢:20歳
出身:カルディア
種族:人間
クラス:ウォーリアー
カルディア王国王族の血を引く王族の一人でありながら、ブリーダーの素質を持っており、自ら暴走エレメントやモンスター退治に向かう勇敢な女性。
心優しく民思いで普段はおっとりとした姫だが芯が強く、若いながら自分の意思を突き通そうとしたり、臣下をしかりつけたりと時には凛とした厳しい一面を見せるため、多くの者に慕われている。
元々ブリーダーとしての素質はあり、教育は受けていたものの、ブリーダーとして表立って戦う事を選んだのは、5年前の「メイナード・ソーヤ」率いる一団壊滅事件がきっかけとなっている。
剣をクレイ・リチャードソンに師事していたこともあり、彼の目覚めを心から願う人物の一人。
王城での執務時は長い銀髪を下ろし、髪飾りをつけ、青色のドレスを好んで着ているが、戦闘時は髪を結い上げて青系の軽鎧に身を包み、細身の剣を手にして勇猛果敢に戦う姫らしからぬその姿と戦いぶりから「銀糸の戦姫」と呼ばれている。
国を治めている国王や、国の為に自ら前線に出る彼女には縁談話も多いが、何か心に秘めた強い意思でもあるのか、彼女は色々と理由をつけては笑顔で遠まわしに断っている様子。
氏名:フェイニーズ・ダグラス
性別:男性
年齢:32歳
出身:カルディア
所属:カルディア王宮大臣会
職業:大臣職・錬金術師
種族:人間
大気中の魔力からエレメントを生み出す技術を開発したエカリス・ダグラスの子孫。
錬金術に関するセンスと知識の豊富さにかけては当代随一であり、エカリス以来の天才、エカリスの再来とも言われている。
かつては大臣として国務補佐という重職をこなす傍ら現役ブリーダーとして暴走エレメントの討伐に赴き、更には錬金術の研究でも各種の成果を上げるなど、自らの天才ぶりを隠す事なく、寧ろ周囲に誇示する様な態度を取っていた。
しかし、とある事件をきっかけにブリーダーとしての能力を封印、現在では大臣という要職に就きながら殆ど仕事をしない怠け者のサボリ魔として、カルディア国内はおろか周辺の国々にまでその名を轟かせている。
だが‥‥それは彼の、表の顔。
他人に見せない裏側には、真面目な熱血漢や義理人情に篤い律儀者、好奇心旺盛な冒険家など、様々な面がが隠されている。
そして勿論、為政者として、命令権限を持つ者、力ある者としての顔も。
だがそれは、平和な時には決して現れない。彼がその顔を見せる時、カルディアは危機に瀕し‥‥そればかりか、非常に切迫した事態に陥っているのが常だった。
そして、今も。
「ったく、俺は年中お気楽なサボリ魔大臣でいたいってのに‥‥何だってこう、厄介事が起きやがるかねぇ」
文句を言いながらも、フェイニーズは立ち上がる。
その顔は、普段とは違う顔。この顔をしている時、彼は仕事を怠ける事はない‥‥絶対に。
氏名:ローラ・イングラム
性別:女性
年齢:26歳
出身:カルディア
所属:管理局
職業:管理局局長
種族:人間
カルディア暦1001年 管理局に勤務
カルディア暦1005年 管理局局長に就任
彼女を表す形容は人によって様々だ。
若くして局長にまで上り詰めた女性を揶揄する言葉があれば讃える言葉があり、怖いと言う者がいれば優しいと言う者がいる。
実際にはどういう人間なのか問うてみれば「貴方の見たままです」と眉一つ動かさずに答える、それがローラ・イングラムという人物だ。
14歳でブリーダー登録し、任務に就いた当初から類稀なる才能を発揮していた彼女は18歳で大臣職に推薦された。しかしこれを辞退し管理局への勤務を希望したのは、局長の座に就く事が目標だったからである。
彼女には『夢』があり、その実現に『局長』という肩書きが持つ力は欠かせない。
クヴァール島の事件など望みを潰えさせるような事態も度々あったが、一年前の某騒動において新たな光りを目にした事で迷いは消えた。
信じる道を進み始めた彼女の周りには、いつしか『仲間』が集い始めていた。
「誰一人欠けることなく戻りなさい」
戦場へ赴く者達へ彼女は告げる。
それがどんなに無茶な「命令」と判っていても、面と向かって伝える事はなくとも。
彼女は、いつもその言葉でブリーダー達を送り出している――。
氏名:オールヴィル・トランヴァース
性別:男性
年齢:32歳
出身:カルディア
所属:管理局
職業:ブリーダーギルド管理
種族:人間
オールヴィル・トランヴァースは、管理局内部にあるブリーダーギルドの統括を行っており、ブリーダー試験の試験官も担当している。
正義感が強く仲間思いのため多くのブリーダーに慕われており、初対面の人とも気兼ねなく話すので、よく多くの人とお酒を飲んでいる姿を見かける。かなりの酒好きだがその見た目と反して酔いやすいと噂されている。
常に穏和で笑顔の絶えない男だが、その裏には激情を秘めている。オールヴィルの逆鱗に触れる者については、たとえそれがどれほど身分の高い相手でも、決して許しはしない。
現在は戦闘に出ることが減ってしまったが、戦闘では常に前衛に立ち、冷静な判断と圧倒的な力でで敵を排除していく。そして、どのような危険な状況にあっても、相手を助けるためなら躊躇わず手を伸ばすという。
また、大臣職のフェイニーズ・ダグラスとは幼き頃からの親友であり、全幅の信頼を寄せている。
十年前に妻に先立たれて以来、男手ひとつで娘のララを育て上げた。娘がブリーダーとなってからは、目的のために全てを懸けて突き進むようになる。
しかしながら彼は、ギルド長以上の地位を決して望みはしない。かつて管理局の人間から、
「お前ならばもっと上を目指せるのではないか。なぜギルド長という立場で満足しているのだ。欲はないのか」
と言われたことがあるが、それに対しオールヴィルは
「この地位でなければ、できないことがある。ギルド長という立場を利用しているんだ。‥‥俺は無欲ではなく、この地位を誰にも渡したくないと思う、誰よりも強欲な人間だ」
と答えている。
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