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■NPC対抗リレー競技開始!?■




 エカリス大運動会1008、その最終競技であるギルド職員(及び関係者)対抗リレーのスタートを前に、競技場に集まった観衆は否が応にも盛り上がっていた。
 大声で選手の名を呼ぶ者、重そうな旗を懸命に振る者、或いは‥‥何だかわからないけれど、とにかくお祭り騒ぎには乗っかりたい者、等々。


 そして選手達は出走を前に準備に余念がない。
「漢の熱い走り、見せてやるぜえぇぇッ!」
 始まる前から落ち着きなく全開で動き回っているのはディアン・シュミットだ。
 その隣では長めに垂らした赤い鉢巻をはためかせ、ジル・ソーヤが念入りに準備運動をしている。
「おいしいご飯があたしを待ってる‥‥だからあたしは勝たなきゃいけない!」
 そう、ご飯の為。観客席からも『美味しいお弁当、作ってきましたよー♪♪』と声が掛かっている。
 あれを堂々と悔いのない様に美味しく頂く為には、何よりもまず勝つ事が必要なのだ。
「ディアン兄と直接対決出来ないのは残念だけど」
「もしそうなら、俺が勝つに決まってるだろ。ヒーローは無敵なんだぜッ!」
「あたしの食欲の方が無敵だもん!」
 その影で黙々と、いつもの様に表情も変えずに準備体操をしているのは春瑛だ。
 頭の後ろで騒いでいる二人の片割れ、ディアンとは第二走者として対決する予定なのだが‥‥特にこれといって感慨はなさそうに見える。いや、見えるだけかもしれないが。
『おじいちゃーん! 頑張ってくださーい!』
 ガ・ソイ隊長は可愛い声援に両腕を振り上げて応えていた。
 基本的に女性が苦手な彼だが、同じ女性でも子供なら大丈夫な様だ。ただし‥‥走る順番は若くて綺麗な女性に挟まれていたりするのだが。
 その対戦相手、急遽出場が決まったクレイ・リチャードソンは、特に準備運動をするでもなく、ただ静かにその場に佇んでいる。
「‥‥戦いはいつも、予期しない時に突然始まるものですからね」
 入念に準備をしなければ全力を出しきれないのでは、戦士として失格という事らしい。
 そんな選手達の影に隠れる様に‥‥いや、別に隠れている訳ではないのだが、結果としてとても目立たない場所に陣取ってしまった片倉幸正は、ひとり黙々と屈伸運動を繰り返していた。
 臙脂のジャージは元々それほど派手な色ではないが、彼が着るとことさら地味‥‥いや、落ち着いた色に見えるから不思議だ。


「‥‥ダグの奴、遅いな‥‥」
 元気な若者達のパワーに圧倒されつつ、オールヴィル・トランヴァースはしきりに競技場の入口を気にし‥‥まさしく熊の様に、落ち着きなく行ったり来たりを繰り返している。
「あいつは本当に走る気あるんだろうな‥‥いや、走ってくれないと、俺の立場が‥‥!」
 肩越しにちらりと振り返ったそこには、肩にジャージを羽織った紺色短パン姿のローラ・イングラムが腕組みをしつつ、やはり苛立たしげに入口の方をじっと見つめていた。
 と、ローラはヴィルの視線を感じて顔を上げる。
「‥‥必ず勝たせると言われたはずですが」
 ほら来た。体感温度−5℃の冷気がヴィルの皮膚にピリピリと突き刺さった。
「いや‥‥来る。あいつは必ず来る! 俺が言うんだから間違いは‥‥っ」
 ない、とは言い切れない‥‥ような。
 ‥‥その時、白組アンカーの到着を待たずに、競技のスタートと告げる笛の音が競技場に響き渡った。


●ララ・トランヴァース(hz0031) VS リアン・ソーヤ(hz0006)
「リアンには負けないんだから!」
「ぼ‥‥ボクだって‥‥っ!」
 その声を聞いて、ヴィルは娘のララが第一走者‥‥しかも敵である赤組だった事を思い出す。
「いや、勝負事に親子の情など持ち込まんぞ! リアン、頑張れーっ!」
 必要以上に力を込めてリアンを応援しているあたり、やはり緊張は隠せないといった所か。
『ララさん、頑張って走ってくださいね〜っ♪』
『リアン、アンカーのお姉さんに負けないよう、頑張ってください!』
 互いに12歳同士の勝負、活発なララに対し、運動は得意ではなさそうなリアンは分が悪いかと思われたが‥‥なかなかどうして。
「ボクだって、選手に選ばれたからには‥‥っ」
 二人は殆ど同時に次の走者へとバトンを渡す。

●春瑛(hz0003) VS ディアン・シュミット(hz0034)
「お願いします!」
「‥‥はい」
 ララから渡されたバトンを、瑛は無表情に受け取り、真剣に走る。
「‥‥遅れては、応援してくれた方に‥‥申し訳ありませんから‥‥」
 一方リアンからバトンを受け取ったディアンは‥‥
「漢の意気込み受け取ったぜぇぇっ!!」
 うわ、暑苦しい。
 そんなディアンに、殆ど並んで走る瑛がちらりと視線を投げる。
 別に冷ややかな視線を浴びせているつもりはないのだが‥‥
「なんか、わかんねえ‥‥わかんねえけど負けたくねえ!」
 ――ゴオオオオッ!!
 ディアンの中で何かが‥‥多分、正義のヒーローの熱い魂が燃え上がった!
『ディアン! アンカーも勿論だが、前半のレースもけっこう大事なんだぜっ』
『春瑛ちゃんを応援するよっ☆』
 客席からの声援を受け、対称的な二人はそれぞれに自分なりの真剣さで真面目に走る。
 第二走者もまた、殆ど同時にリレーゾーンに飛び込んで来た。

●エレナー・ラムリィ(hz0007) VS ラシュリィ・ベイガー(hz0012)
「シフールの代表として、ハンデを乗り越えて頑張りますわ!」
 気合い充分に待ち構えるエレナーに、瑛は受け取りやすいようにと出来るだけ優しく、ゆっくりとバトンを手渡す。
「瑛、わたくしに任せてくださいませ!」
 無表情ながらもしっかりと頷いた瑛にそう声をかけると、エレナーは彼女のサイズにしてみれば巨大なバトンを両腕で抱える。
「お‥‥重いのですわっ! でも、空を飛べるわたくしには当然のハンデなのですわ!」
 シフールがバトンを持って飛んでいると言うより、バトンに羽根が生えている様に見えなくもない。油断するとズルズルとずり落ちそうになるバトンを何度も抱え直しながら、エレナーはコースから外れない様に懸命に飛んだ。
『エレナー、ふぁいおー! でもあんまり無理するなよー?』
「よし、お祭りだもの、あたし頑張っちゃう!」
 一方、ラシュリィは楽しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねながら、ディアンを待っていた。
 張り切ってはいるが、準備運動などは一切していない‥‥恐らく、いや、絶対に、クレイとは違う理由で。
「漢の意気込みを受け取れぇぇっ!!」
「あたしに任せといて!」
 ディアンの異様な暑苦しさをものともせず、気楽な調子でバトンを受け取ったラシュリィは観客席からの声援を受け、ニコニコと笑顔を振りまきながらのんびりと走る。
 勿論、その間にエレナーは遙か先に行ってしまい‥‥
「あん、エレナー、まってよ〜!」

●アイラ・バレッサ(hz0009) VS キオ・クルトス(hz0010)
「アイラ、任せましたわよ!」
 ――ぼふん!
 勢い余ってバトンごとアイラの胸に飛び込んだエレナーは、力尽きた様にへろりと地面に落ちかかる。
 それを両手で優しく受け止めたアイラは、無言のままに小さな体をコースの外に運び、待機していた医療班に託す。
 そして落ちていたバトンを拾い上げると無表情に走り出した。
 自分に送られた声援に気付いているのかどうか、その表情からは伺い知る事は出来ない。気付いているなら、それを嬉しく思っている事だろうが‥‥感情を露わにするのは苦手な様だった。
 その背後では、ラシュリィからキオへとバトンが渡されていた。
「はい、あとはよろしくぅ♪」
 ウィンクと共に渡されたそれをクルクルと器用に回しながら、キオはあっちにフラフラこっちにフラフラ。
「バトンもただ持って走るだけじゃ面白くないよね」
 今度は楽しそうにスキップを始めた。
『こらー! 適当にへろへろ走ってないで、気合入れて頑張ってよー!』
「はーいはい。じゃ、そろそろ本気出そうかな‥‥ちょっとだけ、ね」

●ガ・ソイ(hz0035) VS クレイ・リチャードソン(hz0032)
 へろへろと適当に走っていたにも関わらず、バトンを次の走者に手渡したのはキオの方が早かった。
 日頃から閉じ篭もりがちで余り体を動かす機会のないアイラよりも、実は現役ブリーダーとして結構な実力者だったりするキオの方が、こう見えても体力はある様だ。
 だが勿論、真っ当な方法でバトンを渡す筈もなく‥‥
「おっと、そう簡単には渡せないよ」
 バトンを右に左に持ち替え、逃げ回る。だが‥‥
 ――ぐいっ!
「いたたたたっ!」
 柔和な微笑みと共に腕を思い切り捻り上げられ、キオはたまらずバトンを取り落とす。
 優雅な動作でそれを拾い上げると、クレイはにっこりと微笑んだ。
「では、行って来ます」
 走り出したクレイの背に、黄色い声援が飛ぶ。
 それまで赤白平等に応援していた姫‥‥エリューシア・リラ・ジュレイガー(hz0030)だったが、この時ばかりは相手のガ・ソイ隊長を応援するのも忘れ、祈る様な気持ちでクレイを見つめていた。
 だが、クレイは‥‥未だ体調がすぐれないのか、はたまた何か他に理由でもあるのか、どうも本気で走っている様には見えなかった。
 後ろから猛然と追い上げて来たガ・ソイに並ばれ、あっという間に抜かれてしまう。
 ――キャアァーーーッ!!!
 ――イヤァァーーーッ!!!
 しかし客席から沸き上がった黄色い悲鳴にも動じず、クレイは自分のペースを崩さない。
 反対に、前と後ろを美人さんに挟まれて出走前は緊張気味だった隊長は、いざコースに立てば気持ちを切り替え、ただ走る事に全力を傾けていた。
 二人の差は着実に拡がり‥‥

●アディ・マクファーレン(hz0033) VS オールヴィル・トランヴァース(hz0008)
「お願いします」
「俺に任せておけ!」
 バトンが渡された瞬間、会場に溢れていた黄色い歓声が茶色に変わる。
 だが、そんな事を気にしている場合ではなかった。
「この差は俺が取り返す!」
 まずは、遙か先を走るアディに追い付く事‥‥!
『ララさんにいいところを見せるチャンスです! 全力で走り抜けてください〜!』
『頑張れっ! 負けたらモヤシプリン100個の刑っすぜっ!!』
 ‥‥ヴィルなら喜んで食べそうな気もするが。
『アディ、肩の力を抜いて頑張れよー!』
 しかし声援を受けたアディは何故かびくっと体を震わせ‥‥バトンを取り落としてしまった。
 この子はどうも男性が苦手な様だ。
 バトンを拾い直し、再び走り始めるが、今度は何もない所で転ぶ。
 どうやらドジっ娘属性も完備しているらしい。
 その隙にヴィルは距離を詰め、次の走者にバトンが渡された時にはその差は殆どなくなっていた。

●片倉幸正(hz0001) VS ローラ・イングラム(hz0004)
 羽織っていた上着を脱いだローラは、まだ競技場の入口を気にしながらリレーゾーンに立った。
『ローラさん、頑張ってくださいなのです!!』
『ローラちゃん、頑張ってくださいませ。応援しておりますわ〜』
 異性よりも、何故か同性の声援が多い様な気がしないでもない。良いと思うんだけどな、姐さんの短パン姿。
 ‥‥と、それは置いといて。
「頼んだぞ‥‥!」
「‥‥」
 ヴィルの言葉に目で頷き、バトンを受け取ったローラは軽やかに走り出す。
 一方赤組は‥‥
「あ、ご、ごめんなさいっ!」
 緊張の余りにバトンを渡し損ねたアディは、わたわたと狼狽え‥‥
「わ、私が拾いますっ!」
「大丈夫、僕が行きますから、後は任せてください!」
 カッコ良く言ったつもりの幸正だったが‥‥
 ――かこんっ
 落ちたバトンを拾おうと腰を屈めた瞬間、自分の足で蹴飛ばしてしまった。
 ころころと転がったバトンは、そのままコースの外へ‥‥
「あ、あれ?」
 あははは、と笑いながらバトンを拾い、幸正は慌てず騒がずスタートラインまで戻る。
 きちんとそこまで戻れば失格にはならない事を確認すると、幸正は走り出した‥‥楽しそうに微笑みながら。
『お前の頑張りはちゃんと伝わってるから、自信持って全力出し切ってけよ!』
 見た目は飄々と、余り速そうには見えない幸正だったが‥‥
 あれ? もしかして結構速い?

「‥‥ダグの奴はまだか‥‥っ!!」
 走り終わったヴィルは、息を整える事も忘れてじっと競技場の入口を見つめていた。
 このまま彼が来なければ、赤の不戦勝‥‥いやいや、それはダメだ。ならば誰か余力のある者にもう一度‥‥
 だが、その時。
「‥‥‥‥!!」
 来た。だいぶ息が上がっている様に見えるが‥‥恐らくそれは自業自得。同情の余地はない。
「急げダグ! 早く!!」

●ジル・ソーヤ(hz0005) VS フェイニーズ・ダグラス(hz0002)
「お饅頭を用意して待ってますね!」
 幸正の言葉に目を輝かせながら、靴を脱いで裸足になり、アンカーの証であるタスキをかけたジルは満面の笑みと共にバトンを受け取る。
 そしてちらり、リレーゾーンに飛び込んで来たフェイニーズを見ると余裕の笑みを浮かべた。
「あたしは負けない‥‥大臣だろうと何だろうと全力をもって叩き潰す!!」
 お饅頭とお弁当と、その他諸々のご馳走の為に!
 一方、僅かに遅れて走り込んで来たローラは、バトンを渡す直前に‥‥
「あ‥‥!」
 足がもつれた。
 仕事柄、日頃は体を動かす事が殆どないせいか、或いはアディのドジっ娘属性が移ったのか、それともフェイニーズの姿を見て気が弛んだのか‥‥
「‥‥っと」
 倒れ込んだその体はフェイニーズの腕にしっかりと支えられた。
「あぶねーな」
「‥‥っ、すみません、お願いします」
 その間にも、ジルとの距離はどんどん離れて行く。
 それでも‥‥ローラがきちんと一人で立てる事を確認するまで、フェイニーズは支えた腕を離さなかった。
「ハンデ上等! 行くぜ!!」
 バトンを受け取り、ひとつ深呼吸をすると走り出す。
「待ちやがれ小娘ーっ!!」
『アンカーの責任重大ですよー、ここで負けてしまったら、皆に焼肉容赦なくたかられますからねー!』
 いや、それは勝っても負けても同じだと思うけど。
『ジルちゃん、頑張れ! 逃げる大臣は君のパンを奪った憎き相手だ! 追ってくる大臣は君のパンを奪いに来る憎き相手だ! ゴールの先にはほら、見たこともないご馳走が!』
 何という的確な、的を射た応援だろうか。
 しかしそんな応援にも関わらず、ジルとフェイニーズの差は次第に縮まっていく。
「え、ウソっ!?」
「捕まえ‥‥たっ!」
 ゴール直前で一気に抜き去り、そのまま白組の勝利‥‥とは行かないのが世の常で。
「‥‥へっ、どうだ、ざまあ‥‥」
 倒れる様にゴールに飛び込んだフェイニーズの背に、ヴィルの切羽詰まった声が掛かる。
「ダグ、何やってる! 止まるな!」
「あ?」
「もう一周です!」
「へ?」
 思わずそう叫んだローラの声にトラックを見ると‥‥ジルはまだ走っていた。
「アンカーは2周するんだよ!!」
「な‥‥早く言えバカ!」
 いや、それはちゃんと説明を聞いてない方が悪いと思うのだが。
 ぐるぐると腕を回しているヴィルに悪態をつくと、フェイニーズは再び走り出そうと‥‥
「‥‥つッ!!」
 だが、その左足に強烈な痛みが走った。
 どうやら溜まった疲労と急に動こうとした影響で足がつったらしい。
「なあ、俺が走ろうか? 走っても良いよな? 走らせてくれーっ!」
 足を抱えて蹲ったフェイニーズにいそいそと近付き、瞳を輝かせて足踏みをしながらそう言ったディアンにバトンが渡される。
「よっしゃあ! 漢の意気込み以下略ぅ!」

●ジル・ソーヤ VS ディアン・シュミット
「ディアン兄!?」
「大臣のカタキは俺がとる! 正義は不滅だーーーっ!!」
 フェイニーズのリタイアを知り余裕の表情で走っていたジルに、何かのスイッチが入る。
「いつまでも子供のままじゃないんだよ、ディアン兄‥‥油断しないようにねっ!」
 ――ゴオオオオッ!
 火の玉、再び。しかも今度は二つ。
 どちらの火の玉も、熱さは互角。抜きつ抜かれつのデッドヒートが繰り広げられる。
 しかし、ゴールに張られたテープを燃やしたのは‥‥

 赤い火の玉だった。‥‥恐るべし、食欲。


 こうしてエカリス大運動会1008は幕を閉じた。
 終わってしまえばもう、敵も味方も関係ない。選手達は互いに肩を叩き、手をとり合い、健闘を称え合う。
 観客の胸の中にも、ただ楽しかった思い出だけが残った事だろう。

 そして勝負の余韻が残るゴール付近。
「ほら、ダグ。まったく、しょうがないなあ」
「‥‥大丈夫だ、自分で立て‥‥っ」
 差し延べられたヴィルの手を払い除け、立とうとしたフェイニーズだったが‥‥
「何だ、ただの痙攣じゃなさそうだな」
 肉離れか、或いはもっと酷い何かかもしれない。
「よし、医務室に運んでやる。普通に担ぐか、お姫様抱っこ‥‥どっちか好きな方を選べ」
「選ぶまでもねえだろ、バカ」
「そうかそうか、じゃあ‥‥」
 ヴィルは満面の笑みを湛えながら、両腕でフェイニーズの体を軽々と抱き上げた。
「な‥‥何しやがるこのバカ熊! 離せ! 降ろせ‥‥っいってぇえぇッ!!」
「‥‥最後まで困った方ですね‥‥」
 小さく溜息をつき、ローラは二人の後に従って医務室に向かう。
 その表情は何故か少しだけ、和らいで見えた。


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