神聖暦1000年の春。海を渡って現れた一人の怪盗「ファンタスティック・マスカレード」。
 彼の人物の訪れとともに、ノルマン王国に幾つもの悪意が姿をあらわにし始めました。
 王国の全域で囁かれる「悪魔」の存在と発見された聖遺物「聖櫃」。
 その二つの存在を結びつけるマント領領主ヴァン・カルロスの反乱とシュヴァルツ城での戦い。
 そして、これまで染み出していただけの悪意が、破滅を呼ぶ力となって一気に噴出し始めました‥‥。


■破滅の魔法陣とは?

 悪魔の魂を奪う力を拡大し、周囲から命を奪い取る儀式、とされています。詳細やその力は一つ一つの魔法陣ごとに違っており、現在起動させることができるものもあれば、すでにその使用方法や目的が忘れ去られているものもあります。
 その発動は非常に難しく、定められた日や聖なるものの血、多数の生贄などのいくつもの条件をクリアしなければ、発動させることはできませんが、もし発動すれば魔法陣の周辺は、悪魔の望むように破壊されてしまうことでしょう。
 これらの魔法陣は誰が、いつ作り出したのかは不明ですが、ノルマン王国にはいくつも、「破滅の魔法陣」が隠されているとの噂です。


■聖櫃とは?

 『聖櫃』とは、神との契約を書き記した石版を収めるために作られたとされる伝説の箱です。神との契約が何を示しているのかは不明ですが、その力は世界を揺るがすことができると伝えられています。
 パリ近郊のマントの地下より発見され、ブランシュ騎士団に回収された聖櫃は、銀を箔押しし、宝石と白金で装飾された金製の箱で、封印と保存の魔法がかけられていました。また、現在では使われていない文字のようなものが、表面には刻まれているようです。
 神聖魔法に反応したとの報告もあり、その信憑性は増していると囁かれています。


■ブランシュ騎士団

 純白の鎧とマントをトレードマークとした、ノルマン王国に忠義を誓う騎士たちです。
 多くは10年前のノルマン復興戦争において功を立てたものたちであり、東洋の武術や日本刀などの技術を備えた、実力ある騎士団として名をはせています。
 現在の団長はヨシュアス・レイン(ez0013)。その下にギュスターヴ・オーレリー(ez0128)以下6名の分隊長とそれに従う騎士たちが所属しており、彼らはノルマン王国のため日夜奔走しています。


■怪盗

 一時イギリス王国を騒がせた謎の怪盗、それが怪盗・ファンタスティック・マスカレード(ez0082)です。
 神聖暦999年末から1000年のはじめにかけて、イギリスで冒険者たちを焚き付けデビルの目的を阻止した怪盗は、その後ノルマン王国に渡り、彼の地にて進行するデビルの陰謀と対するようになります。
 怪盗が対抗した陰謀こそが、マント領にて進められていたヴァン・カルロス伯爵(ez0084)の陰謀です。冒険者ギルドは怪盗の行動から伯爵とデビルの陰謀を察知し、騎士団と協力してその動きが拡大する前に防ぐことに成功しています。
 現在、怪盗の足取りはつかめていませんが、その一味であるホリィ・チャーム(ez0086)が今回の戦いに参加するとのことです。


<これまでの経緯>

■怪盗と花嫁 −パリ郊外マント領−


 事の発端は、突如舞い込んだ花嫁誘拐の予告状でした。
 マント領領主代理ヴァン・カルロス伯爵のもとに届けられた予告状の差出人は、一時隣国イギリス王国を騒がせた怪盗「ファンタスティック・マスカレード」。その内容は、彼の花嫁となる前領主の娘、クラリッサ・ノイエン(ez0083)を誘拐するというものでした。
 伯爵はこの事態に、冒険者ギルドに花嫁の護衛を依頼。黒い噂が絶えない伯爵とマント領の実態に疑問を抱いた、冒険者ギルドは、秘密調査を行なうために、護衛の依頼を引き受けました。
 紆余曲折の末、冒険者たちは花嫁の護衛に成功し、怪盗とその仲間を退散させる事ができました。
 しかしその一方では、伯爵に従うデビルが出現したとの報告もあり、伯爵の黒い噂の信憑性はいや増すばかりでした。


■カルロスの反乱 −パリ郊外シュヴァルツ城−

 その直後、怪盗がカルロス伯爵により、マントの街に幽閉されたとの報がもたらされたことで、事態は急転します。
 この事態に冒険者ギルドは怪盗の救出を決定。冒険者たちを送って、マントの街の秘密と伯爵の陰謀を探り出そうとします。
 街中で行なわれた陽動作戦が功を奏し、伯爵の手の者の妨害にあいながらも怪盗の救出は成功。そして同時に行われた調査により、マント領の地下に眠る遺跡と聖遺物‥‥聖櫃の実在が明らかにされました。
 しかしカルロス伯爵はすでにパリ郊外にあるシュヴァルツ城に向かい、オーガやアンデッド、デビルを含む軍勢をもって、パリに侵攻を開始したのです。
 突然の動きに対応し切れなかった騎士団に代わり冒険者ギルドは有志を募って対抗。パリ郊外での3日に渡る戦いの後、敵を撃滅し、勝利を手にすることになります。


■悪の台頭 −パリ郊外シュヴァルツ城−

 カルロス伯爵の反乱から約半年。パリ周辺に多数のオーガたちが集結し始めました。また反乱以後、数の増えていたアンデッドを、組織だって操る存在も確認され始めました。
 その噂のなか、ついには死んだはずのカルロス伯爵がデビルとともにその姿を現したとの報告が入るようになり、ブランシュ騎士団は冒険者ギルドをはじめとする民間団体と連絡し、対抗策を検討することになります。
 悪魔の勢力の狙いは、秘密裏に聖櫃が運び込まれたというシュヴァルツ城。かつての反乱のときと攻守を入れ替え、聖櫃を巡る戦いが黒き城にて繰り広げられます。
 カルロス配下の精鋭部隊や悪魔崇拝者、下級デビルの襲撃を冒険者たちはぎりぎりのところで食い止め、退けることに成功。
 悪魔に魂を売ったカルロスも、聖櫃の前までたどり着くも、守りを固めていた者たちの決死の攻撃により、ついにその命を、間違いなく絶たれました。


■破滅の魔法陣 −パリ郊外シュヴァルツ城−

 しかし、カルロスは悪魔にとっての尖兵にしか過ぎませんでした。カルロスと契約を結んだデビル・アンドラスがついにその姿を見せ、直接動き出したのです。
 デビルたちが探していたのは、強力な魔力により破壊を行なうと伝えられる「破滅の魔法陣」‥‥その一つがシュヴァルツ城にあるらしいことをかぎつけたアンドラスは、滅びた手駒に代わり、ついにその姿を表すことになります。
 破滅の魔法陣の起動には多数の生贄が必要だとの噂もあり、パリ郊外をはじめとするノルマンの各地では、デビルの手のものと見られる集団により、生贄が集められているとの噂もあがっています。
 かくして三度、シュヴァルツ城における悪との戦いが、幕を開けようとしているのです‥‥。




ノルマン王国国王
ウィリアム3世(ez0012)
[人間・男・20才]
 ノルマン王国建国者ウィリアム1世の孫にあたる若き国王。
 復興戦争後の王国復興直後はお飾りの国王であると囁かれていましたが、成長につれて政治・剣技に如何なく才能を発揮し、ブランシュ騎士団とともに民衆が豊かに暮らせるよう、尽力しています。
 幼い頃から心臓が弱く、長くはないと言われていますが、そのようなそぶりも見せず、彼はノルマンのためにと力を傾けています。
パリ冒険者ギルドマスター
フロランス・シュトルーム
(ez0036)
[人間・女・33才]
 パリの冒険者ギルドを一手に引き受ける女性です。その手腕や情報網は各所で一目置かれており、政治的な問題でもにこやかに対処することができるといわれています。
 これまでのカルロスと怪盗、ひいては悪魔たちに関わる事件でも、何か別の情報を得て騎士団と協力しているとの噂もあり、今回の魔法陣についても、騎士団と協力しての早期の調査を決定していました。
マント領領主
クラリッサ・ノイエン(ez0083)
[人間・女・17才]  
 マント領前領主の娘で、現在、マント領の領主を務めている女性です。
 カルロス伯爵の策謀により、悪魔への生贄に捧げられるところでしたが、冒険者たちの活躍により救出されました。その後、継ぐものがいないマントの街の領主位を継ぎ、カルロスに荒らされた街の復興のために力を尽くしています。
 現在ではカルロスに独占されていたベルト工芸品を広めるためにはどうすればよいか、と知恵を絞っています。
ブランシュ騎士団団長
ヨシュアス・レイン(ez0013)
[エルフ・男・70才]
 ブランシュ騎士団の現団長です。日本刀による華麗な剣術を得意とし、復興戦争のおりはウィリアム3世を守り抜いて、神聖ローマ軍を震え上がらせました。
 長髪の美形で貴婦人たちの人気の的ですが、生真面目すぎる性格のためか、色々な厄介ごとを引き受けてしまうことも度々あります。
怪盗
ファンタスティック・マスカレード(ez0082)
[人間・?・30?]
 イギリスとノルマンを騒がせた仮面の怪盗。
 理由は不明ですがデビルと敵対する人物であり、自らの怪盗としての仕事の中には、敵への対策がいくつも含まれています。神聖魔法[黒]を扱う神聖騎士でもあり、魔法による変幻自在の変装とレイピアの腕はかなりの域とされています。
 ノルマン王国で知り合ったクラリッサを襲った不幸を払うまで、デビルの陰謀と戦うことにしたらしく、各所でギルドや騎士団、クラリッサを助けるため暗躍しています。
不和の大侯爵  
アンドラス
[デビル・?・?]
 カルロス伯爵と契約を交わし、力を貸していた悪魔です。悪魔学においては、不和や喧嘩をあおり、人が争う様を楽しむとされる、中級の悪魔の一体です。剣の達人でもあり、目にも止まらぬレイピアは、数多の正義の使徒を葬りさってきました。
 伯爵の死後、自らの悪徳をなさんがためについに表舞台に現れ、今回の破滅の魔法陣の起動を狙っているといわれていますが、その姿を発見することは容易ではないでしょう。


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